2022.01.10

コラム①:労働法の成り立ちと現代版の労働者の生存権について考える

こんにちは。社労士もっちーです。
エールで労働法の成り立ちから話をする機会があったので改めて復習してます。
その中から労働法の歴史について、意外と知られていないと思うのでミニ知識を発信していきたいと思います!

最初の近代的「労働法」は1945年(昭和20年)12月に制定された労働組合法になります。
日本憲法が制定されたのが1946年11月公布ですから、なんと憲法に先駆けて労働組合法が制定されているんですね。
敗戦直後の日本の民主化を当時のマッカーサー司令官は、労働組合を作ることで民主化を促進しようとしたわけです。マッカーサーの5大改革というものが有名ですが、その中に「労働組合の結成促進」があります。戦勝国の英米仏などでは労働組合が市民の声の代表と考えられていたので、日本でも労働組合の結成を通して、日本の自由化と民主化を進めようとしたのです。

厚生労働省(旧労働省)の調査では、1945年(昭和20年)の労働組合法制定時の労働組合の組織率は3.2%でしたが、1年後の労働組合の組織率は41.5%まで拡大しました。日本の労働組合は、日本の民主化を進めたいアメリカの主導で大きくなったんですね。

さて、労働法の目的は、憲法第25条(生存権の保障)と憲法第13条(幸福追求権)です。つまり、労働者が国民として、人間らしい生活ができるよう法で実現させる(労働者の生存権の実現を図る)ことです。
この「労働者の生存権の実現」は、時代によって大きく変わってきました。
昭和20年代の前半は、国民生活の水準は劣悪で、人間らしい生活 = 生きていくに足る食事が満足にできればよい、という時代でした。「労働者の生存権の実現」とはまさに、戦後の混乱期を生き抜くということでした。
その後、高度成長期を迎え、国民の生活は衣食住の全てにおいて質的向上が図られました。さらにその後は、精神的にも充実した生活を希求し、スポーツや芸術文化を楽しむゆとりが生活の中に生まれました。

このような生活の変遷は、雇用関係にも大きな影響を与えます。
現代は、時間が価値であり、長時間労働の見直しが求められています。急速に進む少子高齢化でこれから働き手は急速に減っていきます。共働き世帯も多く、育児や介護と仕事の両立も課題です。
戦後から現在まで俯瞰してみると、今の時代の生活のライフスタイルに合わせた新しい「労働者の生存権の実現」が求められているんですよね。
そして新型コロナウイルスで世の中はさらに変わりました。

現代版「労働者の生存権」を企業は積極的に考える、そういうことが企業の生き残りに大事になってきていると思います。そんなふうにとらえてみると、企業で対応することが見えてくるし、差別化になりそうですよね。
みなさんの企業ではいかがですか?