2021.10.18

【エールからのお役立ち情報】コロナ禍において企業存続のためにできること (2020年10月号エール・スピリッツより)

コロナ禍において企業存続のためにできること

本記事は2020年10月号のエール・スピリッツでお届けした記事です。
現在も続くコロナ対策のためにご活用いただける情報として掲載させていただいております。
ご参照下さい。

新型コロナウィルス感染症による影響が長引き、企業によっては事業の継続に大きな影響が出始めています。
雇用調整助成金の特例緩和措置(受給要件の緩和、上限額引き合げ等)は12月末まで延長されたところですが、
雇用調整助成金を受給しつつ、人件費の面でも、具体的に見直しをはかる動きがでてきています。
整理解雇を検討される企業もあるかと思いますが、事業縮小による雇用調整において、
従業員に選択の余地のない整理解雇は最終手段となります。
以下に、人員整理の前に検討すべきこと、確認すべき点をまとめました。

【1】 削減できるコストを削減、  手元資金は増やしておく

 経費削減  遊休資産の処分  役員報酬の削減 派遣の解除 外注先の見直し 等

 コロナ融資など借り入れ  持続化給付金  家賃支援給付金  雇用調整助成金

【2】 整理解雇以外の人件費削減

 ① 休業手当率の見直し  ② 時間外労働等の削減

・休業手当:平均賃金の6割以上。 6割以上支給している場合、長期化すれば休業手当率の見直しも。
・業務量が減っているにもかかわらず、残業が生じているケースもあります。

従業員の業務の状況を把握し、無駄な残業がないか、業務分担できることはないか等の見直しを。

 ③ 新規採用の抑制    ④ 期間契約社員の雇止

有期雇用の雇止め、新規採用の抑制など。
社内体制の見直しを行い、配置転換等による人員の過不足の調整を検討します。採用においては、
採用計画の見直しを行い、内定取り消しが生じないよう注意を。

 ⑤ 給与以外の経費や福利厚生の見直し (社宅費、食事補助など)

社宅費の見直し、食事補助の減額・廃止等は、給与・手当の減額・廃止よりも着手しやすい部分ですが、
従業員の生活にも直結するため、経過措置などの対応を検討することも忘れずに。

 ⑥ 賞与の削減・不支給

支給するか否か、賞与支給額については原則として会社が決定します。
賞与を支給する企業は給与に手を付ける前に、賞与から削減となります。
    ※就業規則にて賞与額を確約している場合には、就業規則の変更が必要となります。

 ⑦ 賃金の減額 (昇給の停止、手当の減額・廃止、基本給の減額等)

賃金の減額は、従業員の生活に与える影響が高いため、減額率などについてもよく検討し、
慎重に対応する必要があります。これまでの多くの判例において、賃金の不利益変更の場合は、
高度な必要性に基づいた合理的な内容であることが必要とされています。
可能な限り、代償措置を講じることも検討すべきです。

 ⑧ 配置転換、出向、副業 等

不採算部門を閉鎖する場合でも、配置転換や出向を検討、あるいは副業を許可することで、
できる限り整理を行います。
    ※就業規則に定めがある場合には、就業規則の変更が必要です。

【3】 整理解雇を検討する場合

整理解雇を行う場合、次の4要素を満たすかどうかを確認します。(詳細は頁の下側を参照)

 1. 整理解雇の必要性があるか

 2. 従業員に対し、説明責任を果たしているか 

 3. 解雇回避努力を尽くしているか

 4. 人選の合理性はあるか

そのうえで、人員削減の対応として、一般に下記の段階をふみます。

・退職勧奨 ・早期退職優遇制度 ・転職支援等  最終手段として整理解雇

★有期雇用契約の雇止め・中途解約・退職勧奨

有期契約社員について、契約期間途中での解雇に対しては、正社員の解雇よりも厳格に判断されるため、
期間満了まで雇用を維持できない特別な事情がない限りは、契約期間満了を待って雇止めをすることになります。
まず、契約社員、定年退職後の再雇用者などの契約期間を確認します。

★正社員の希望退職者募集

希望退職者募集にあたり、検討・決定すべき事項

・削減する人員の人数を決定する。 (人員削減後の会社の体制も決めておく)
・退職金上乗せの検討
・希望退職の募集期間、募集範囲(全社員を対象とするのか、特定の部門、年齢層とするのか等)
・会社にとって必要な人材が応募したときの対応
    ※条件がある場合は、希望者募集の要項に会社が承諾をした者に限る旨を明記する必要があります。
・スケジュール(検討すべき事項を踏まえて、いつまでに、何をやるのか)
・個別面談の実施(希望退職者募集開始後、締切までに状況説明を含め従業員に実施)

★退職勧奨

希望退職を募っても、応募者が削減する人員数に満たない場合には、次の段階として退職勧奨を検討

★整理解雇

退職勧奨にも応じなかった場合に、最終的に整理解雇を行います。
整理解雇を行う上では、下記の点を踏まえて慎重に対応していくことが重要です。

ℚ整理解雇とは?

整理解雇とは、会社が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇をいいます。
整理解雇は経営上の理由による解雇であるという点において、その有効性の判断は厳格であり、
そのハードルは極めて高いものとなります。

その有効性の判断の上では、重要な考慮要素として4要素と呼ばれる判断要素があります。

    • 人員削減の必要性…人員削減の措置の実施が、不況や経営不振等による企業経営上の十分な必要性に 基づいていること、あるいは企業の経営上やむを得ない措置と認められるような状況であること。
    • 解雇回避努力…解雇という手段をとる前に、解雇以外の人員削減手段を用いて解雇をできるだけ   回避すること。
    • 人選基準の合理性…合理的な人選基準を定め、その基準を公正に適用して被解雇者を決定すること。
    • 手続きの相当性…労働者に対して、人員整理の必要性、解雇回避の方法、整理解雇の時期・規模・人選の方法などについて説明を行い、その納得を得るために誠意をもって協議を行うこと。

 
これらの4要素を満たせば、必ず有効と判断されるということではありませんが、会社として誠意をもって丁寧に対応していくことが求められます。その上で、従業員に対して退職金の加算や再就職の支援などの負担軽減措置、不利益を緩和するできるだけの対応を検討する必要があります。

 

【ご参照下さい】
■厚生労働省 国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html

■新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(2021年7月28日時点版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

■無利子・無担保融資
中小企業の資金繰りを支援するため、実質的に無利子・無担保で融資を受けられる特別の貸付制度

問い合わせ先
日本政策金融公庫  https://www.jfc.go.jp/
沖縄振興開発金融公庫 https://www.okinawakouko.go.jp/

新型コロナウイルスに関する企業の対応事項、労務管理に
ついてはエール担当者へお問い合わせ下さい。

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