2021.11.15

【エールからのお役立ち情報】新型コロナウイルス感染症に 従業員が感染した場合・濃厚接触者となった場合の対応 (2021年2月号エール・スピリッツより)

新型コロナウイルス感染症に従業員が感染した場合・濃厚接触者となった場合の対応

本記事は2021年2月号のエール・スピリッツでお届けした記事です。
現在も続くコロナ対策のためにご活用いただける情報として掲載させていただいております。
ご参照下さい。

従業員を休ませるとき~そもそも「休業」とは? 給与を払うべきかどうかの判断基準~
「使用者の責に帰すべき事由による休業(*1)」にあたる場合、
会社は従業員に対して休業手当(平均賃金の6割以上)を支払う必要があります。
*1)会社の判断で、勤務が可能な従業員を休ませる場合をいいます。
反対に、不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。
ここでいう不可抗力とは、
① その原因が事業の外部より発生した事故であること、
② 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
の2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

感染した従業員を休業させる場合
労働者が新型コロナウイルスに感染したときは、医師や保健所の指示に従い感染のリスクがなくなるまで休業させます。
都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合には、上記の「不可抗力」によるものとして、給与を支払う義務はありません。
※業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険の給付の対象になりますので、エールにご相談ください。 ((ex.)患者に接する看護師の発症/利用者が感染した介護事業所の職員の発症など)

<従業員が感染した場合の傷病手当金申請について>
従業員が感染した場合には、会社から給与は支払われませんので、その間は、健康保険の傷病手当金を申請します。(本人から年次有給休暇の申請があれば、年次有給休暇にて対応します)
・被用者保険(会社で加入している健康保険)に加入している方であれば、要件を満たせば、休業4日目から健康保険から傷病手当金が支給されます。
・パート等で国民健康保険に加入者している方が感染した場合には、期限付きで、特例的に(*2)、傷病手当金が支給されることになっています。(詳しくはお住まいの市区町村に確認ください)
*2)「特例的に」…傷病手当金は、本来、国民健康保険では任意給付であり、市町村では給付実績はありません。この度の新型コロナウイルス対策の一環として、特例的に国民健康保険加入者の一部も傷病手当金の給付対象になっています。新型コロナウイルスに感染、または発熱等の症状があり感染が疑われることにより会社等を休み、事業主から十分な給与等が受けられない場合に支給されます。(自営業、学生などは対象外。あくまで会社で勤めている人が対象)

濃厚接触者について
医療機関で、従業員が新型コロナウイルス感染症と診断された場合、感染症法に基づき、管轄の保健所に報告され、
これまでは接触確認の調査、濃厚接触者への対応がおこなわれ、企業としても調査への協力を求められていました。
しかし、神奈川県はまん延期は、積極的疫学調査(濃厚接触者調査)の対象を医療機関や高齢者施設など重症化しやすい
ハイリスク者へ重点化するとしました。⇒ 一般企業等での調査は行われなくなりました。
しかし、企業内濃厚接触者の調査を保健所が行わなくなったからといって、会社が何もしなくていいということにはなりません。

<感染者が出たとき、企業でできる対策>
○感染拡大を最小限に抑える対策を徹底する。臨時休業や消毒など具体的対応の検討等。
○濃厚接触者を特定する(*3)
○特定した濃厚接触者への対策をおこなう
(*3)濃厚接触者の目安:感染者の発症2日前から感染が確定するまでの間に、
・感染者と同居あるいは1時間以上の接触(社内、飛行機内等を含む)があった者
・マスク無しで1メートル以内、15分以上会話があった者(会食等を含む)<従業員である濃厚接触者への対応>
神奈川県の場合には、濃厚接触者の調査について、下記のように示しています。
(以下、神奈川県ホームページより(積極的疫学調査の重点化に関するQ&A(一般の方向け)
問10 会社での濃厚接触者の調査や消毒などはどう対応すればよいでしょうか?
感染対策ガイドラインに基づき感染対策を徹底していただいていれば、休業等の必要は無いと考えます。
食堂、休憩室や喫煙室などの共有スペースで、マスクの着用無く15分以上会話した場合には、濃厚接触者の定義に該当しますので、会社でのご判断で2週間の自宅待機等のご対応をお願いします。
⇒ 症状が出ておらず在宅勤務が可能であれば、在宅への切り替えをおこないます。
在宅勤務できず休業の扱いとする場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当の支給が必要になる可能性があります。(職場内の接触のため、不可抗力による休業と言いきれない)

感染した従業員を休業させる場合
② 費用負担についての検討
・テレワークにより、在り方が変わる費用(※)の負担についての取り扱いの検討
※「通信費」「就業環境の整備費」「機器購入費」「水道光熱費」「消耗品購入等の雑費」など

【参考】 「在宅勤務における企業の従業員サポート調査」(エンワールド・ジャパン㈱)
質問:上記のような費用について企業として何らかの手当を支給しているか?
結果:「毎月支給:20%」「一時金支給:7%」「購入した金額に応じて支給:6%」「支給無し67%」
※毎月支給の場合 ⇒ 支給額3,000~5,000円および5,000~10,000円がそれぞれ約40%
※一時金支給の場合 ⇒ 支給額10,000~50,000円が約50%、50,000~100,000円が約30%

③ その他テレワークルールの決定
・出退勤の打刻や管理方法の検討
⇒ウェブ上で打刻可能なシステムを導入するか、電話やメールやその他社内連絡ツールにて代替するか
・社内連絡や業務上の連携方法の検討
⇒社内会議や朝礼・終礼への参加方法、また、業務連絡の方法や頻度をどのようにするか
・パソコン等の機器や書類の取り扱いについての検討(セキュリティ管理)
⇒自宅への持ち帰りをどこまで認めるのか。また認める場合はその範囲、およびその承認ルールをどのようにするか

従業員の家族が感染した場合
従業員の家族に感染者がでた場合には、従業員本人が陰性の場合も、濃厚接触者として、保健所からの指示で一定期間自宅待機の要請を受けることになります。
その際、本人が健康な状態であれば、在宅勤務できるかどうかを検討します。在宅勤務させることができず、従業員が出社できない場合は、会社に賃金を支払う義務はありません。(年次有給休暇の申請があれば有給休暇で対応することになります)
※保健所の指示期間を超えて自宅待機を指示する場合や、保健所から自宅待機指示が出ていない場合には、休業手当の支払いが必要になります。また、同居家族の発熱で家族の検査結果が出るまで、念のため従業員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いが必要になります。

新型コロナウイルス感染症に係る労務管理のご相談はエール担当者へ
ご連絡下さい。

【ご参照下さい】
■新型コロナウイルス感染症 人事労務担当者向けご参考リンク
・神奈川県 積極的疫学調査の重点化の徹底
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/ekigakuchousa.html
・厚生労働省 新型コロナウイルス関するQ&A(企業の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
・東京商工会議所 「職場で新型コロナウイルスの感染が疑われたら読むガイド」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1022769

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